獄ノ終:バケモノの証明~天ノ蟲~

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「フハハ。流石は俺の孫だ! とは違うな!」 「父さんのことを悪く言わないでください。父さんはバケモノじゃない。と違って」 出来損ないの蚕の繭の様な、白い吐息が二人の間で応酬されている。 「僕は全て知ってしまった」 総一郎は、鞄から取り出した古い日記帳の様な物を町長に見せた。 「それを読んだのなら、分かるだろう? 桑原家はこうして代々護られてきたんだ。 オシラサマは我が一族の繁栄の神だ。娘のさんが残っていれば安泰だ」 「どうして、は悪しき因習を断ち切ろうとしなかったんだ?」 「感傷に浸り、バケモノに情けをかけるな! この馬鹿垂れが!」 町長は、総一郎の顔面を強く殴った。 わたしは、母を喪ったパニックもあり、ただ見ているしかなかった。 殴られた総一郎は、倒されることなく、町長を睨みつけた。 「痛くないよ。さんが受けた仕打ちに比べたら、全然痛くない。 父さんのことも、こうして力づくで止めたんだろ? だけど、あなたはもう、年老いた。僕には勝てないよ。悪いけど」
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