獄ノ終:バケモノの証明~天ノ蟲~

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唇を切った総一郎は、血を拭おうともせず、わたしの方を振り向いた。 「さん、僕の父さんと君のお母さんは、互いに惹かれ合っていたんだ。 父さんは、さんの呪縛を終わらせようとして、あの人に詰め寄った。 揉み合いの結果、打ち所が悪く、半身不随になったんだ」 「それはいつの話しなの?」 「はっきりとは分からないけど、君が生まれる前だ」 「そんな……酷い……」 「だから、少なくとも僕の父さんは君の父親ではないんだ」 子供が作れない体になったということか。 好き合った男性と肌を重ねられなかったことは、母にとって幸せだったのか、不幸だったのか、わたしには想像すらつかない。 その時、わたしはあることに気づいてしまった……。
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