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「ちょ……ちょっと待って……総一郎。それじゃぁ、あなたは一体誰の……?」
総一郎は俯いた。
壊されたい程のショックを受けた総一郎は、肩を震わせ、泣いていた。
呪われた子供は、わたしだけではなかったんだ。
「さん、僕の本当の父親はね……このバケモノなのさ! そうだろ? 父さん?」
「仕方なかったんだ。総太郎は下半身が麻痺し、もう子供を作れなかった。
桑原の血を絶やさない為には、他に方法はなかった」
「聞いたかい、さん? この勝手な理屈をさ。
桑原の血が途絶えれば、こんなくだらない因習もなくなるんだ。護る必要がなくなるからね」
遠くからサイレンの音が聞こえる。
消防車や救急車のサイレンではなかった。
「総一郎! 貴様!」
「通報したよ。あなたの息がかからない地区の警察にね。父さんも証言してくれるだろう。
殺人と監禁・暴行。生きて刑務所から出ることはないでしょう。
あなたはもう子供を遺せない!」
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