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だけど、総一郎も子供だったし、小学校の時なんて、女子の方が強かった。
同級生の女子は、男子に気づかれない様に巧みに、そして陰湿にいじめてくるようになった。
ムラ社会は狭いし、子供の世界も狭い。
何より、女の子同士は残酷だった。
女子の中には、エリートである総一郎を好きな子も居た。
そんな子達から見たら、醜いのに、総一郎に庇ってもらえるわたしは、害悪なのだろう。
彼女達は、彼女達なりの正義に従って、わたしを陰でいじめ続けた。
だって、親である大人達がわたし達親子をバケモノ扱いしているのだから。
わたしにとっては、酷く歪んだ正義ではあったけど。
一方、わたしも負けず嫌いで、総一郎に告げ口をしたことがなかった。
桑原の家に助けを求めることが、わたしには負けを認めることだと映っていたから。
彼に知られない様にいじめられれば、いじめの存在は証明されない。
多分、彼の家という後ろ盾がなければ、わたしはもっと酷いいじめを受け続けただろう。
わたしはこの街で生まれた。
あの忌まわしき、小屋で生まれた。
そして、この先、母と同じ様に、闇が澱んだ様なあの小屋で生きて行かねばならない。
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