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回復(2)
午前10時に退院して、久しぶりに帰ってきたマンションに泣きそうになった。エントランスではコンシェルジュがちょうど交代の時間で、橋田さんと斎藤さんの二人がいた。俺がゆっくり歩いて現れたのを見て、二人とも喜んでくれた。
玄関に入っただけで悠斗くんの匂いが部屋いっぱいに香る!
いや、さっきから本人が横にいるんだけど。
もう匂いに包まれて、涙が止まらない。
胸がいっぱいだ。
甲斐甲斐しく靴を脱がせてくれる。
リビングのソファに深々と二人で沈み込み、もう離れたくないとぎゅうぎゅう抱きしめあった。
もちろん悠斗くんは、俺の頭の傷を心配してふわりと優しく…でも力強く抱きしめてくれた。
「もうズルいです。」
例の佐山さんに言われた様なことを悠斗くんにも言われた。
意味がわからなくて泣きそうになる。
「違います、優一さん。よく聞いて?……ズルい。こんな匂いさせたら、僕我慢できないっ!」
とか言いながらまた抱きしめてくれる。
「//////////////////」
俺だって本来ならば発情期がきてるはずで……フェロモンが変にダダ漏れてるんだろう。
自分じゃどうしようもないんだよ。
中途半端な事になって、俺もツラい。
囁く。
「優一さんはただ座って、感じてて?」
俺だけソファに座らされ、悠斗くんは潤んだ瞳で膝立ちで向かい合う。
服を一つずつ脱がしながら唇にキスをくれた。
触れるだけのフレンチ・キス。
カジュアルジャケット。
ちゅ。
次は黒のシャツ。
ちゅ。
白のワッフルタンクトップ。
ちゅ。
バックルの大きなベルトを外し、ジーンズの前をくつろげる。
俺は上半身裸に剥かれ、寒くはないが恥ずかしくて心許ないから、手近にあったクッションを掴んで抱きしめた。
くつろげた所からボクサーパンツをズラして俺のゆるゆると勃起し始めたモノを取り出した。
晒されたそれは、外気に触れてふるんと震えた。
悠斗くんの手が、俺を翻弄する。
反り返り始めたモノを強めに握りしめて、大きめのスライドで扱き始めた。
「はっ……はあっ!……はあっあぁぁぁ!!」
恥ずかしいくらい早く、イッた。
たぶん悠斗くんはクチに咥えてからフェラするつもりでいたんだろう。
ごめん。
そう思ってたら、愛おしそうに、余韻に浸るそこを優しく包んで俺が落ち着くのを待ってくれた。
「今日は全部気持ち良く感じて欲しいから…。」
またゆるゆると始める。
今度はクチに咥える。
いやらしいざらついた舌先が動き、チロチロと先端の割れ目を舌で割る。
根元は親指と人差し指で、キツく輪を作り扱き出す。
「あぁぁぁっ…あぁぁぁ…はああぁぁぁん!」
翻弄する悠斗くんに吐精する!
喘ぎを堪えられず、大きな声が出る。
鼓動が大きく跳ねる。
気持ちいい!
ブルっと余韻の震えまでも、悠斗くんはクチの中で待ってくれてる。
はあっはあっ…はあっはあっ……。
なんだろう。体力があからさまに落ちてるんだろうか。気持ちいいのに身体が怠くて、たかが2回イカされただけで動けない。
ソファでぐったりした俺を、ひょいと横抱きして寝室へと連れていく。
久しぶりの俺達のベッドには抱き枕やクッションが増えていた。頭の傷に負担がない寝方を考えてくれてるのか。
温かいタオルで軽く身体を拭きあげてくれた。
今は悠斗くんが抱き枕になってくれる。
悠斗くんも俺以上に鼓動が跳ねてる。
まだまだ陽の高い午後。
龍の迎えにも早い程。
久々の自宅のベッドの感触を堪能していた。
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