第15話……回復

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回復(2) 午前10時に退院して、久しぶりに帰ってきたマンションに泣きそうになった。エントランスではコンシェルジュがちょうど交代の時間で、橋田さんと斎藤さんの二人がいた。俺がゆっくり歩いて現れたのを見て、二人とも喜んでくれた。 玄関に入っただけで悠斗(はると)くんの匂いが部屋いっぱいに香る! いや、さっきから本人が横にいるんだけど。 もう匂いに包まれて、涙が止まらない。 胸がいっぱいだ。 甲斐甲斐しく靴を脱がせてくれる。 リビングのソファに深々と二人で沈み込み、もう離れたくないとぎゅうぎゅう抱きしめあった。 もちろん悠斗(はると)くんは、俺の頭の傷を心配してふわりと優しく…でも力強く抱きしめてくれた。 「もうズルいです。」 例の佐山さんに言われた様なことを悠斗(はると)くんにも言われた。 意味がわからなくて泣きそうになる。 「違います、優一さん。よく聞いて?……ズルい。こんな匂いさせたら、僕我慢できないっ!」 とか言いながらまた抱きしめてくれる。 「//////////////////」 俺だって本来ならば発情期がきてるはずで……フェロモンが変にダダ漏れてるんだろう。 自分じゃどうしようもないんだよ。 中途半端な事になって、俺もツラい。 囁く。 「優一さんはただ座って、感じてて?」 俺だけソファに座らされ、悠斗(はると)くんは潤んだ瞳で膝立ちで向かい合う。 服を一つずつ脱がしながら唇にキスをくれた。 触れるだけのフレンチ・キス。 カジュアルジャケット。 ちゅ。 次は黒のシャツ。 ちゅ。 白のワッフルタンクトップ。 ちゅ。 バックルの大きなベルトを外し、ジーンズの前をくつろげる。 俺は上半身裸に剥かれ、寒くはないが恥ずかしくて心許ないから、手近にあったクッションを掴んで抱きしめた。 くつろげた所からボクサーパンツをズラして俺のゆるゆると勃起し始めたモノを取り出した。 晒されたそれは、外気に触れてふるんと震えた。 悠斗(はると)くんの手が、俺を翻弄する。 反り返り始めたモノを強めに握りしめて、大きめのスライドで扱き始めた。 「はっ……はあっ!……はあっあぁぁぁ!!」 恥ずかしいくらい早く、イッた。 たぶん悠斗(はると)くんはクチに咥えてからフェラするつもりでいたんだろう。 ごめん。 そう思ってたら、愛おしそうに、余韻に浸るそこを優しく包んで俺が落ち着くのを待ってくれた。 「今日は全部気持ち良く感じて欲しいから…。」 またゆるゆると始める。 今度はクチに咥える。 いやらしいざらついた舌先が動き、チロチロと先端の割れ目を舌で割る。 根元は親指と人差し指で、キツく輪を作り扱き出す。 「あぁぁぁっ…あぁぁぁ…はああぁぁぁん!」 翻弄する悠斗(はると)くんに吐精する! 喘ぎを堪えられず、大きな声が出る。 鼓動が大きく跳ねる。 気持ちいい! ブルっと余韻の震えまでも、悠斗(はると)くんはクチの中で待ってくれてる。 はあっはあっ…はあっはあっ……。 なんだろう。体力があからさまに落ちてるんだろうか。気持ちいいのに身体が怠くて、たかが2回イカされただけで動けない。 ソファでぐったりした俺を、ひょいと横抱きして寝室へと連れていく。 久しぶりの俺達のベッドには抱き枕やクッションが増えていた。頭の傷に負担がない寝方を考えてくれてるのか。 温かいタオルで軽く身体を拭きあげてくれた。 今は悠斗(はると)くんが抱き枕になってくれる。 悠斗(はると)くんも俺以上に鼓動が跳ねてる。 まだまだ陽の高い午後。 龍の迎えにも早い程。 久々の自宅のベッドの感触を堪能していた。
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