第17話……明るい未来

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明るい未来(2) このところ、腹が重い。腰が痛い。 臨月直前辺りから、腹回りが大きくなってきた気がする。 臨月に入ったとはいえ36週に入ったばかり。 予定日まであと四週間もあるんだ。 大丈夫かな。 「おはようございます。北條さん、どうぞ。」 「お願いします。」 来院してすぐ、カップに記名して検尿を提出。 ロビーに置いてある血圧計で血圧と脈拍を測定。 名前を呼ばれて診察室に入ったら、先生に血圧計の測定用紙を渡す。 電子カルテに入力しながら話を始めるのがこの病院の流れ。 「北條さん、今日36週0日ですね。今週までは今産まれると早産。来週から41週までは正期産となります。まぁ、もう今産まれても問題ないくらいですから、なんかあったらいつでも連絡くださいね。さー、エコー見てみましょうか。」 いつもニコニコしてる先生で、この日もエコーでグリグリ色んな角度を診てたんだけど、途中から真面目な顔で何度もエコーを止めてパソコンの操作をしていた。 「北條さん。」 「はい。」 「うーん。少し子宮口開いてきてますね。」 「え。もう産まれるんですか?」 「や、まだまだだね。この時期にはあるある位のことだよ。だけど経産夫さんだから、違和感があれば、早め早めに連絡すること!」 「わかりました。……あ、スイミングは…。」 「うん。大丈夫!しっかり呼吸法覚えこんできてね。スイミングの前は、入念に体調管理するから安心して。」 エコー画像を貰い、これで検診は終了。 これからは毎週検診となる。 病院と同じ敷地内にある、提携のスイミングだから体調が良ければ出産ギリギリまで行ける。 今日は検診の後にそのままスイミングも入れてるんだよね。 スイミングはマタニティと赤ちゃんに特化した温水プールで、手すり付きのスロープがある。 プールサイドも滑らない、転ばないように気を配ってある。 週3回通ってるんだけど、腹が重くなってきてからは、プールの中にいるほうが好きだ。 浮力で腹が軽くなる。 今日は9時から検診、10時からスイミング。 45分のカリキュラムをこなして着替えてのんびり休憩して、正午にはゆるゆる徒歩でマンションに到着。 ふー。笑 あと四週間。
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