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第9話……家族になりましたね。
「悠斗くん似かな。」
「まだわかりませんね。優一さんに似たほうが可愛いですよ。僕だと可愛げなさそ。」
「いやないない。悠斗くん似になったら最強だろ。俺は至って平凡顔だ。」
病院着の前をはだけて、平たい胸を晒してみる。
あ、なんかクチモグモグさせ始めた。
なんか匂いでもすんのかな。
「ほら、飲むか?」
軽く乳首をウェットな清浄綿で拭いて、息子のクチに寄せてみる。
……は……はむっ。
「「お。」」
「吸い付きましたね。わ……。吸ってる。いいな。」
心做しか羨ましそうな目つき。
悠斗くんも飲みたいんかい。笑
んくっんくって必死に飲んでる。
平たい胸なのに、出るんだな。
「悠斗くん。」
「はい。優一さん。」
「家族になりましたね。」
「っっ。……はい、家族です。」
感極まった!というように声を詰まらせる悠斗くんに、胸キュンしてしまった。
「なんかさ。まだお互いの家族の事とか、俺ら知らない事だらけでさ。本当に運命の番かどうかも俺、よくわかんないんだけど。悠斗くんの事は全面的に信頼してるし、こんなに安心感あるのって悠斗くんだけだし……とにかくこれから少しずつお互い知っていこう?」
「はい。」
妊娠中、結婚に向けて、幾つか悠斗くんには聞きたい事を聞いたんだけど、会話になっていなかった。
お互いの両親とか家族の事、話し合いたかったんだけど、結局俺の家族には電話で結婚する事を話したものの、俺の家族は海外に住んでることもあり、顔合わせをしないままだった。
悠斗くんに至っては、うちは大丈夫です。優一さんの出産が済んでからで。というもので、どこかはぐらかされた感があったけど、優しく笑みかける悠斗くんに、ま、いっか!って……俺も相当なアバウト野郎である。
会話の少ない俺らの間で。
とりあえず決まったのは、長男の名前だった。
「北條龍」
なんかヤクザっぽくね?www
俺じゃなくて悠斗くん推しの名前だかんな。
うん。カッコイイと思うよ。
龍、宜しくな。
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