第39話……変化

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変化(13) 「涼矢捕まえたよ。ごめんね、こっちで見てるからお昼行ってきてよ。」 奥の誰かにそう声をかけてる。 「あ、あなたのお子さんでしたか。かわいいですねぇ。一歳くらい?」 「ええ、一歳と二ヶ月……になったかな。もう……やんちゃで困りますけど。」 「わかるわかる。歩き出したら捕まえるのが大変ですもんねー。ボクもイタズラさんなのか。人見知りしなくていいですね、みんなに可愛がられるでしょう?」 親がいるのに知らない俺に抱きついてるなんて、よっぽど人懐っこいんだな。 「いえ!コイツいつもは僕にべったりで、物凄い人見知りなんです。まさかお客様に抱きつくなんて、初めてでビックリしてます。申し訳ありません。」 「えええ?人見知り?うそ。無茶苦茶抱きついてるよね?パパんとこ行くか?」 「ほら、涼矢!おいで。お客様の迷惑だよ。」 「迷惑じゃないけど。ん?俺のこと、気に入った?グエ、クビ絞まってるってば。あはは。連れて帰りたいなぁ、ウチくる?うちにはねぇ、お兄ちゃんとか、同じくらいのお友達もいるぞ?」 「お子さん、多いんですか?」 「うちは四人います。全部男の子でね、下がもうすぐ一歳の双子なんです。」 「四人!下が双子!それはすごい。うちはまだ一人なんで、兄弟は欲しいんですけどね。なかなか。一番上は何歳なんですか?」 「一番上は今五歳で、来年小学生になるんですよ。」 「やっぱり間隔空けずに産んだ方がいいのかなぁ。」 「失礼…ですけど、産んだの……あなたですか?」 「ふふ、そう、僕オメガなんです。」 「あ、いや、ごめんなさい。深い意味はなくて……俺もですから。俺もオメガです。」 「えー?!そうなんですね。こんな田舎だと、オメガの男性に会うなんてないから。」 「でもいいですね。お子さんも会社に連れてきてお仕事されてて。」 「あ、同じ敷地内のこの裏のところに家があって、いつもはベビーシッターさんに預けてるんですよ。たまに僕のところに脱走したりするんですけどね。」 「えー、じゃあ楡崎さん?」 「はい、楡崎といいます。」 「そうだったんですか。おれ……じゃなくて(わたくし)、北條と申します。うちのパートナーがお取引きをさせて頂いてるみたいで、今事務所のほうにお邪魔してるんです。お世話になります。」 「ええええ?!北條さん?北條さんって、じゃあ……龍くんの?!」 「は?龍をご存知なんですか?」 「いや、ご存知も何も……、そうでしたか。龍くんの。」 おーい。 誰か説明してくれ──────。 ୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧ 「悠斗くんと優一さん」の読者様へ 楡崎(にれさき)藍翔(あいと)涼矢(りょうや)親子と北條龍の関係につきましては 「こちらへどうぞ!」 https://estar.jp/novels/25650077 第12話 楡崎家第一子の場合 に登場致します。 第12話のみ単体でお楽しみ頂けますので、未読の方はどうぞ宜しくお願い致します。
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