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勇者襲来
「来たぞ魔王!お前の命も今日までだ」
勇者の剣先には黒服の女の子が泣きながら立っていた
紫髪で長髪
顔はふっくらと赤子肌の少女である
「お父さんは死んだんだけど‥」
少女の泣きじゃくる姿に勇者は頭が真っ白になる
「ま、魔王に殺されたのか?」
少女は首を横に振り
「お父さんが魔王だったんだけどおおお」
魔王城中に泣き声が響き渡る
何も言えなかった勇者のもとに
魔王の幹部らしき人物がやってきた
黒髪で長髪
黒スーツで狐目の女だ
「勇者様、父は本日肝臓がんで亡くなりました。ですので魔王を倒すのは14年後、あの娘が成人するまで待ってくれませんか」
幹部らしき女は先程の少女を指差す
「まさか、あの子が次期魔王なのですか?」
勇者の質問に少女は泣きながら答えた
「私が133代目魔王、ナールなんだけど!!」
勇者は戦意を失い魔王城を去っていった
これが後に語り継がれる【葬儀の日】である
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