9月22日

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信号が青に変わった。 「いや、さっきまで嘆いていた人の言葉とは思えないわ」 歩き出しながらユキが言った。 私も、さっきと変わってユキに加勢してふんふんとうなずく。 「だって、なんかもう走れたらいっかなぁって」 そう来たか。 何を隠そう、この見た感じ大人しめの少女、実はバリバリの陸上部エースなのだ。 運動音痴を極めている私からすると、そのセリフが言えるのが羨ましい。 「え、でも大学はどうすんの」 私は少しいじわるをしたくなって言った。 「うわぁぁそれは言わないで!」 青が空を見上げて嘆いた。 「大学かぁ……」 高二になって半年近くたったが、受験なんてまだまだ遠く感じる。 この時が永遠に続くように感じられる。 「まあ、なんとかなるっしょ!」 ユキは能天気にそう言って、足を止めた。 顔を上げると、いつの間にか駅に着いていた。 ここから先は、3人の帰り道は別々なのだ。 「またね!青、勉強頑張れ!」 「バイバーイ、留年とかやめてよー」 「はいはい、わかったわかった。また明日」 秋晴れの少し涼しくなった空の下、私たちは手を振ってわかれた。
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