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俺は、少女と共に織繊芸(おせき)がいたところへやってきた。
「あいつ、まだいるね。そんじゃ、お兄さん行ってらっしゃい!」
少女はそういうと、俺を突き落した。鳥が低空飛行してくれたおかげで、怪我しなくてすんだが、やはり鬼畜だ。
そんなこと思っていると、織繊芸が走り出した。
「お兄さん!走って!まっすぐ走ったら封印場所があるから!」
俺は、足がちぎれるんじゃないかと思うほど、全力で走った。山までの道を走りまくった。少し離れて走っていた織繊芸は足を止めれば捕まるほど近くに迫っていた。
「お兄さん!右に曲がって!」
少女から言われた通り、右に曲がると、そこは山道ではなくけもの道だった。
そんなこと関係ない。俺は走り続けた。けもの道を駆け、坂を上り、大きな広場に出た。背後から織繊芸の足音が迫ってきている。
「封印場所はどこにあるんだ!!」
俺は上空にいる少女に大声で聞いた。
「まっすぐ行くと洞窟があるから!走って!」
少女はそういうと、広場の先に飛んで行った。
俺は少女が乗っている鳥を目印にしながら、走った。
少し走ると、洞窟が見えてきた。織繊芸も追いついてきている。少女が乗った鳥は洞窟の上に止まっていた。
「ここだな!封印の方法はここにいれ」
「できないよ」
俺は絶句した。完全にだまされたたんだ。この少女は織繊芸の仲間だったんだ。
「お、お前裏切ったな!ここに俺をここに連れてきて、織繊芸の生贄にするためだったのか!!」
俺はそう怒鳴ったが無駄だ。もう、真後ろに織繊芸が来ている。
ああ、もうダメだ そう思った。しかし
「織繊芸!もういいぞ」
少女はそう言い放つと、織繊芸が低い声で
「オウ」
と言った
何が何だかわからない俺は、唖然して立っていると
「いやー ごめんごめん。君には能力がないといったでしょ?あれね、嘘なの。君は結構珍しい血筋なんだよ。あ、紹介送れたね。僕はアヤメ あの神社で神主兼神様をしているキツネだよ。そして、この鳥は桃 大鷲の桃だよ。後ろに立ってる織繊芸は僕の式神みたいなもの。まあ色々あって僕が引き取ったんだ。」
なにがなんだかまだわからない。でも、こいつらは味方ってことはわかった。すると
「オマエ ナマエ ナニ」
と織繊芸が言った。
「お、俺は服部 服部啓二だ」
「お兄さん、やっぱり服部っていうんだね。お兄さんって元は京都の陰陽師の家だったんだよ。知ってた?」
初耳だ。アヤメが言っていた能力とは陰陽師の血筋だということか。
「いや、初耳だ。もしや、能力と言うのは陰陽師の血筋で幽霊とかが祓えるってことか?」
「ご名答 だからさ、私たちと一緒に来ない?」
めんどくさそうだが、お金がもらえるなら働いてもいいだろう。
「わかった!一緒にやってみよう」
俺はそう返事した。
「やったぁ!これにて、「夜中に聞こえる声」解決だね!」
とんでもない一日だった。これからも同じようなことが続くと考えると、きついものだが、頑張れそうな気がする。
「そういえば、「解決」って言ってたけど、誰かから依頼されてるのかい?」
そう俺が聞くと、
「今回は私自身が作った事件だけどね、普段は依頼されてるよ。」
探偵のようだ
「お兄さん何書いてるの?」
「日記だよ。昔からの続けてるんだ」
「へー。あ、次の依頼来たよ。行こう!」
「もうちょっと興味持ってくれよ」
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