終章

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  私は空席になった向かい側を見て、瞼を閉じた。   女の香水の香り、窓の隙間から漂う草の香り。ふわりと私を満たす天使の香り。   目を開けると天使が微笑んでいた。    今夜の贄を殺せと、私のナイフがカバンの中で呼応したような気がした。
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