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最終話 不要国民の末路、そして‥
この日は何故か空港行きのバスが混んでおり海外旅行へ行くにか? と思いながら待合室の奥にあるベンチに座ってバスが出発する時間までスマホをいじりながら静かに待った。
いくら女装しても100%安心はできず、小さな物音でもビクッと反応をして辺りを見渡す事が多々あった。
「まもなく12:00発、エアポート特急、成田空港行きの高速バスが到着します」
バスのアナウンスを聞いた俺は急いで荷物をまとめて案内に従ってバスに乗車することができると、急に肩の力が抜け、一気に疲れと睡魔が襲ってきた。
「よかったぜ。とりあえず寝るか」
俺は窓に寄りかかるようにして束の間の休息を取ることにした。
バスが首都高から東関東自動車に入り、千葉市付近を過ぎた時‥
ピーンポーンパーンポーン
「えーお客様にご案内いたします。只今連絡がございましてこのバスに不要国民が乗車しているという情報が入りました」
そのアナウンスを聞いた俺は一気に眠気が覚め、途轍もない緊張感で心臓が押しつぶされる気分に襲われた。
ザワザワ
「何でバレたんだ‥ でも今度は変装しているからバレないぜ」
俺は何度も暗示をかけるように 「大丈夫だ」 と言い聞かせながらうつむいた。
周りの客もざわめきから殺す、金が手に入るなどと言う小言が聞こえるようになった。
すると
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