最終話 不要国民の末路、そして‥

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「只今よりお客様の乗車券を拝見させていただきます」 1人の男性乗務員が一人ずつ乗車券を拝見していった。だが名前と性別を偽っているので問題ない。 しかし徐々に近づいてくる乗務員が死刑執行の刑務官のように思え、極度の緊張で再び吐き気に襲われた。 すると‥ 「お客様、乗車券を拝見させてください」 「あ、はい‥ 」 か細い声で答え震える手で乗車券を男に渡すとじっと見つめながら確認しているとき、俺の心臓は張り裂ける寸前だった。 《頼む、どうかバレないでくれ》 男は俺の乗車券を隅から隅まで事細かく険しい表情で確認していると‥ 「ありがとうございました」 ニコッと笑顔で答え、何事も無く、検札をパスすることができた。俺は急に強烈な疲れに襲われ、深く椅子に座りながら汗をタオルで拭いていると トントン 俺の肩を優しく叩くのを感じた俺が後ろを振り返ると‥
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