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結末
一ヶ月後の 総理官邸
コンコン
「入りなさい」
「失礼いたします」
総理執務室に今回の法案を成立させた総理大臣と、一人の男性がソファーに深く座りながら互いに向き合い、お茶を飲みながらあることを語り出した。
「国民排除法案で例の前島瑞樹を処分できたそうだね」
「はい、奴の被害者達には約束通り公的資金で報酬を支払うことになります」
「そうか、しかし君の考案したこの法案は最高だ。これにより不要な国民を処分して、治安維持にもなり税金も押さえられる」
「感謝いたします」
「しかし、まさか父親名義の携帯に仕込んだGPSと盗聴器、それにキャッシュカード利用歴を使い居場所がわかり、決め手になるとは‥ よかったのかね? 前島首相補佐官、自分の息子を処分して」
眼鏡を中指でくいっと上げながら淡々と答えた。
「奴は問題児ですし、死んで当然です。それにアイツは問題児だった死んだ弟の子供を引き取っただけです」
「くくく、蛙の子は所詮蛙か‥ これからも国家のために力を貸してくれ」
首相はニヒルに笑い執務室を後にした。今まで実の両親だと思っていたがまさかの事実がここで判明した。
結局父は俺の問題行動によって多額の損害賠償を負い、それを返済する目的からこのプロジェクトを提案したのだった。
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