第1話 私刑執行 

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第1話 私刑執行 

都内某、公園。 俺の名前は前島瑞樹、某底辺高校に通う2年だ。俺は腐れ切った社会に嫌気がさし、いつも仲間と共に気に入らない奴に制裁を与えていた。無免許運転、いじめ、障害、窃盗など何でもやった。 俺は公園のベンチで足を組みながら座っていた。俺の前には同じクラスでひ弱な金づるの田村を地面に正座させていた。 田村は怯えた表情で何度も見逃してほしいと懇願してきた。 「前島君、もうお金ないよ。今月3万あげたじゃないか」 「お前の顔が気に入らねえんだ。精神的苦痛として10万払え」 「む、無理だよ…… 」 唇を震わせながら田村が一言ぽつりと呟くと 「てめえ、調子に乗るなよ、ATMのくせに」 周りの仲間が田村を囲み何度も頭に足を乗せながら額を地面につけさせた。近所の住人もさげすむ目で俺達を何度もチラッと見てくると。 「てめえらもこうなりたいか? 」 俺が大声で奴らを一括すると蜘蛛の子を散らすようにその場から立ち去った。所詮こんな腐れ切った社会で大人なんて見て見ぬふり、自分がよければいいと思っているだけだ。 俺は見せしめに田村の顔面に蹴りを入れると、鼻血を垂らしながら震える手で財布から1万円札を渡して命乞いをしてきた。 「こ、これで勘弁してください」
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