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複数人の人間が楽しげに歌う声と友人の断末魔が聞こえその場で携帯を落として竦んでしまった。
「何だよ不要国民排除って‥ 」
カツカツカツ
ゆっくりと忍び寄る足音が聞こえ、反射的にビクッと反応をして辺りを見回すと‥
「お兄ちゃんどうしたの? 」
「な、何だ。子供かよ」
そこには小学校1年生くらいの女児が不思議そうな表情を浮かべて立っていたので、脱力感に見舞われると
「お兄ちゃん元気ないね」
「ビクついて損した。疲れちまったぜ」
「見てみて、私、マイナンバー持っているんだ。じゃあ、治してあげるね。先生お願いします」
女児が小さい右手の甲に印字されたバーコードを見せる。話によるとバーコードを刻印されている奴が執行人らしい
ズ、ズズズズー
重たい鉄を引きずるいやな音が聞こえおびえた表情を浮かべて、ゆっくりと後ろを振り向くと、身長2メートルの般若の面を着けた男が、さびた斧を引きずりながら満面の笑みで近づいてきた。
奴の腕にもバーコードの刻印がされていた。
「治療(オペ)開始します。恐怖のない快楽の世界へ連れて行ってやる」
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