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第2話 見えない敵
俺の目の前で大男が斧を振り下ろそうとしてきたので俺は素早く身を起き上がらせ、その場を足早に立ち去った。
「逃がさないわよ。パパ行こう」
「ハアハアハア、奴を殺せばこんな極貧の生活から解放される。一生遊んで暮らせる」
後方からは女児の笑い声と大男の息遣いが聞こえ、無我夢中で周りを見ずに走った。面識のない見えない敵に怯えながら汗を拭く余裕さえない状況で近くにあった交番まで駆け込んだ。
所詮は子供と大きな斧を持った男に追いつかれることはないと思ってはいたが‥
「す、すみません」
「はい、どうかしましたか? 」
眼鏡をかけた真面目そうな男性警察官が奥から現れた。俺は焦る気持ちを抑えきれず、今あったことを若い警官にまくし立てると男性警官は‥
「解りました。ちょっと奥に行って準備してきますので待っていてください」
警官は足早に奥の部屋へと入ると、俺はどうしても入り口付近に立っているのが怖くて奥にあった防護盾を持ちながら入り口を見張っていると‥
カチャ
拳銃の引き金を引く音が聞こえゴクリと唾を飲み込みながらゆっくりと後ろを振り向くと‥
「お、おまえが不要国民だな。お前みたいな弱い者いじめをする奴は嫌いだ」
震える手で拳銃を俺に向けながら対峙する警察官は腕のバーコードを見せた
「お、おい何で市民の見方の警察官がそんなことするんだよ」
「う、うるさい。俺の弟は中学時代、お前にいじめを受けて引きこもったんだ。お前みたいなクズが許せないんだ。」
「は、話せば解る。冷静に考えようぜ」
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