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俺はアメリカ映画のようなジェスチャーを使って何度も説得をしたが奴は、一向に銃を下ろすそぶりを見せなかった。
「なあ、警察の特権って何があるか解るか? 」
「し、知らない‥」
「拳銃を撃てることだよ。俺子供の頃からゲームが好きで一度でもいいからDQNを撃ってみたかったんだ」
「い、イカれているぜ‥ 」
「それに、お前を殺せば国から報奨金がおりて、弟の治療費で出来た親の借金を返すことができるんだ。金もらえて拳銃でクズ殺せるなんて幸せだ」
コイツに何言っても無駄だ。このとき奴はすでに涙と鼻水を垂らして目が完全にいっていたからだ。
ガシャーン
「患者様。治療のお時間ですよ」
奴らが満面の笑みを浮かべて窓ガラスを割って侵入してきた。前方には拳銃男、後方にはいかれた親子。まさに絶体絶命だったが‥
「お前よほど恨まれているんだな。お前みたいな奴は国民みんなが嫌っているんだ」
「ま、待て」
「どうせお前は被害者の顔なんて覚えていない。だが被害者は一生加害者を忘れない。だから敵が誰だか解らない。逃げてもいつか被害者団体に囲まれる」
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