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プロローグ
2030年、日本経済は破綻をしてしまい、完全失業率は69.3%、日経平均株価は3500円まで低下した。
更に大卒の平均初任給は14万5000迄低下してしまい、かつての経済大国の面影は微塵も感じられなくなってしまった。
高齢化社会により社会保障費はかさみ遂に国家は裁判所、検察、自衛隊なども運営できず廃止した。
経済が低迷してもなお人口が減らないことを危惧した政府は、少しでも国家負担を軽減するためある法案を可決した。
時の総理大臣は毅然とした態度で国会答弁を行った。
「経済の低迷により希望を見いだせない若者が急増してしまい、少年による犯罪が増えてしまった。既に国家予算は資金的にも厳しくなりました」
「そこで我が国では少しでも人口を減らし、社会保障を削減するため少年法を廃案にして新たに不要国民排除法案を成立させることを約束します」
不要国民排除法いわゆる私刑法案とは、少年法を縦にしてイジメや障害、暴走行為、窃盗などを行う未来を担えない若者である不良を一般国民が力を合わせて排除するという。
「今まで全ての子供達に平等な子育て支援を行いましたが、これからはバラマキをせず、日本の発展のために活躍できる有望な子供達だけを選別、支援することにして再び日本の秩序と繁栄を手に入れようではないでしょうか? 」
「そうだ! 」
「いいぞ! 」
議員による下品なヤジが飛び交う中、国民排除法案は与党の賛成多数により可決された。
こうして、日本国民は国に申請された不要国民の私刑執行を行う義務を課せられ、納税、労働、教育を受ける義務の他に私刑義務が追加された。
執行人は裁判員制度のように国から無作為に選ぶのと、志願制度が導入され、認定不要国民の排除義務が生じ、生死をかけた戦いが始まった。
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