16人が本棚に入れています
本棚に追加
「せっかく中学生になったんだよ!カッコいい人と恋、したいじゃない!」
「私は、別にそこまで……」
「由菜は甘い!待ってるだけじゃ白馬の王子様はやってこないのよ!こっちも動かないと!」
「わ、分かった……」
「やった~!」
私は凛ちゃんの勢いに負けて思わずライブに行くことを承諾していた。
その日の夜。
私はお風呂に浸かりながら考えていた。
(待ってるだけじゃ、白馬の王子様はやってこない、か……)
私だって、ステキな恋が出来たら、それはいいなって思っていた。だけど、漠然と将来はいつか結婚して、子供ができて、お母さんになっている未来を想像していた。
(だけど……)
いつかって、いつ?
将来の旦那さんって、誰?
ぐるぐると回る思考の海の中、私の中で凛ちゃんの言葉が蘇る。
(こっちも、動かないと……。そうかもしれない……)
そして私は次の土曜日に控えているライブ参戦への腹をくくることにしたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!