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「──まだ起きないのか? おい、量を間違えたんじゃないだろうな」 「まさか! ちゃんと適量だって。薬の免疫がないんだろう、効き過ぎてる」 「ま、免疫はないだろうな」  ──ん。  この声……仁、帰って来たんだ。  話してるのは、マスターだ。  いつの間に眠ったんだろう?   ……体が重い、目が開かない。 「……それで? 出どころが分かったんだってな」  マスターが、仁に問い掛けている。 「情報が早いな。俺もさっき聞いたところだぞ」 「シュリ会の奴らが店に来てたんだよ。ああ、もう帰った。てっきりアジア系だと思ってたんだけどな。十中八九、香港あたりかと踏んでたんだが、欧州だって? ……それも北の方の」 「……そうらしいな」  何の話をしているんだろう?  ああ、早く起きないと。 「──なあ、この嬢ちゃん」 「こいつは関係ねぇ。こいつは……ボス絡みだ」 「そのボスが、あんた捜してるって聞いたが」 「………」 「仁。何か、ヤバいことになってんなら……」 「なってねーよ。こいつは本当に関係ねーんだ」 「周りもそれで納得してくれればいいがな。嬢ちゃん、どう見ても北欧の血筋だろう」
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