きず

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意外な返事に固まっていた。まぁ、いるって思われても不思議じゃないか。 「んで次は?」 まだ、なんかあるだろう。彼女がいないなら余計にあるだろう。理由とか。 「終わりですけど」 真顔で言われた。 「終わり?」 いや、嘘だろ・・・。これがやってほしい事? 「短すぎる!ほか!」 こんなのがやってほしい事だなんってありえない、ただ質問に答えただけだ。追及もしないなんて・・・。 「えーっと、じゃあ」 「おう」 「私の傷の手当てを完治まで診てください!」 顔を赤くして言ってきた。ほんとに叶芽にはある意味、完敗だ。また、理解が出来ない。 「みる?完治?ってことは、俺が治療すればいいってこと?」 「そうです・・・」 この感じからして、これが今の叶芽の考えた最大の、やってほしい事だろうな。 「わかった、早く傷がよくなるように手当てをする!」 本当は、もう少ししたら病院に連れていく予定だったが、こいつのやってほしい事ならやるしかない。今の俺に拒否権なんてないのだから。それに、叶芽にとっても・・・いや、俺へのメリットがあり過ぎる。でも、これ以上聞いてもなんか出なそうだし。叶芽が意を決っして言ってくれたんだもんな、それに従うしかない。 「じゃあ、一人の患者として診るから」 いくら身内でも、適当にはできない。だったら私情をはさままずに傷と向き合ったほうがいい。 「は、はい」 本当に細い腕だ。しっかり食べてるのかよ?これでよく仕事出来てたな・・・って私情ははさまないんだった。 「よし、今は腫れを引くのを待つしかないから今はこれで様子見な」 今できる範囲では、冷やすことしかできない。 「もし、このあとちょっとでも変だったすぐに言うこと!今日みたいに隠すなよ!」 「は、はい・・・」
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