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「私が建殿を見舞うのは迷惑ですか?」
「そんな訳ないよ。入院って結構退屈なんだ。いつもありがとう」
良かった……。
私は建先輩に会いに来ていいらしい。
「わ、私は別に建殿の退屈しのぎに通っている訳ではないのです!リハビリを真面目に頑張って早く治していただかないと。お医者様や看護師さんにも迷惑がかかってしまいますから!」
「そんなにキツい言い方しなくても……」
はっ!
ついいつもの調子がでてしまった。
どうして私はいつもこうなのだろう。
「食事はお済みですか?利き手を怪我して不自由でしょう。よろしければこの光成に介助させていただきたく……」
「食事は看護実習生の佐川さんが食べさせてくれたんだ。優しいんだよなぁ彼女」
なんですと!
さっき病室から出てきた女性が佐川という実習生だったのか。
「失礼します。源さんこんにちは。リハビリの時間ですよ」
さっき言っていた実習生だな。
この実習生で大丈夫なのだろうか。
「村田先生、宜しくお願いします。私の後輩が来てくれているので一緒に見学させてもよろしいですか?」
実習生がこちらを見たのでとりあえず会釈する。
あちらも「こんにちは」と挨拶をしてくれたが、あまり愛想がよくない気がした。
「見学されるのは構いません。では行きましょう」
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