3人が本棚に入れています
本棚に追加
「ヒデと佐川さんって同級生だろ。佐川さんって可愛いし優しいから、彼氏とかいるのかな」
な、なんですって!?
食事を食べさせてくれるという看護実習生か!
まさか、いや、まさかな。
「美冬は俺の幼馴染みだ。いま彼氏はいないと思うけど」
「そっかいないのか。じゃあ問題ないよな」
もしや建先輩は彼女にアタックするつもりでいるのだろうか。
そうだとしたら大問題勃発だ!
ものすごく嫌な予感がする……。
リハビリの後も病室で付き添ったが、あの佐川という看護実習生が病室に来ることはなかった。
夕食こそは私が介助をと密かに期待したが、やんわりと断られた。
私が長居すると迷惑かもしれないので、とりあえず今日のところは退散することにしよう。
それからしばらく建先輩の病室に通う日々が続いた。
相変わらず実習生と毎日楽しそうに過ごしていたが、日に日にリハビリの効果がでてきて日常生活を取り戻しつつあった。
この調子だと退院も近いはずである。
最初のコメントを投稿しよう!