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ちょっとした花とちょっとした天使
「はい。なんでしょう?」
「あの、もしお時間あったら、ちょっと……」
「あ、ナンパですか。条件付きで、OKですよ」
ショートカットにクリクリの眼をした彼女は、意外にも、というか、あっさりOKしてくれた。
「ただし、この『ちょっとした花』を、一週間、家に飾れたら、です」
どこから取り出したのか。
彼女は、赤いけど、ちょっと青みがかったバラのような花を一輪、差し出した。
「花言葉は、『ちょっとした◯◯』です。それじゃ」
それだけ言い捨てた。
「ちょ、ちょっと! 連絡先!」
「あ、その時は、私が迎えに行くから。私は、『ちょっとした天使』っていうの!」
いつの間にか、彼女はいなくなっていた。
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