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「で、さっきのあれの説明して」
「さっきのって、このラブr「それだから、それだから今ここで言わないで!」
口に出されて言われるととっても恥ずかしい。とにかくなんでこいつが持っているのか教えてもらわないと。
「なんであせってんだよ。これ俺んとこ入れたのお前だろ? 俺のこと好きって。放課後なんて書いてあるけど、同じクラスだったらそれより前に合っちまうし、一応確認を……どうしたんだよ、お前さあ」
「えっ、どうしたって何が?」
「そんな顔して、何が? じゃねえよ」
多分今の私の顔は絶望と諦めと、いろいろな感情が混じった顔になってると思う。だってまさか下駄箱を間違うなんてこと、想像できなかった。私の努力は、私の緊張は……。
「もう、どうしてくれんのよぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ムキになってつい叫んでしまった。月景は唖然とした顔をしている。本当のことを話そう。私は月景のことなんて好きじゃないし。優弥のことが好きってこいつにバレるのは恥ずかしいけど、誤解をとくためにはそうするしかない。意を決して話す。
「――ってことなの。わかってくれた?」
「そういう事か。まあお前俺と全然接点ないしおかしいと思ったんだよな」
告白されたのに違うってわかっても、彼はいつも通り。悲しくないのかな。男子ってみんな告白されることを望んでる猛者ばっかだと思ってたんだけどなぁ。
「ねえ、私結局月景のこと好きじゃなかったのに悲しくないの?」
「は? なんで悲しまないといけないんだよ。元々お前なんて振る予定だったし、逆に間違いで安心した」
元々振る予定だっのか……。変なことにならないで安心したけど、ちょっと悲しい。や、やっぱりちょっとくらい気を持って欲しいものだし? まあ私も好きじゃないんだからいいんだけど。
「じゃあ、それ返して。それと、このこと優弥には絶対内緒だからね!」
当たり前のように私は言う。まず私のこと好きじゃないのなら返さないことなんてないと思ったから。でもその言葉は、耳を疑うものだった。
「いや、返さない。返してほしかったら、俺と付き合って」
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