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俺にとって真奈はただの幼馴染だ。昔からよく遊んだし、親の交流も強いけれど、本当にそれだけだ。きっと中学が終わると学校すら変わるはず。でも3年になったと認識した今日、なぜか俺はそれを拒んだ、嫌がった。あと1年で真奈と離れてしまうという焦り。家は隣だけど交流はなくなる。そう考えただけで、悲しいという思いが込み上げてきた。
今までそんなことは無かったのに。俺にとって彼女は近くにいるのが当たり前で、中学になっても話さなくなることは無かったし、彼女も俺を遠ざけたりなんかしていない。部活が無い時は一緒に帰ることもある。だから真奈が月景と付き合ったと聞いたときも、そうか真奈ももう中3だもんなとしか思わなかった。
……聞いたすぐ後だけは。
ふたりのことを考えると胸がチクリと痛む。始業式も先生の自己紹介も、どの行事にも身は入らない。なぜだろうか。特に月景が後ろの席にいると思うとイライラが止まらない。自分がこんな思いを持てるなんて思ったことなかったくらいだ。だんだん自分が怖いと思ってしまう。
学校が終わり家に帰った後、ひたすら悩んだ。どうしてこれほどまでの思いが込みあげてくるのだろう。分からないまま、俺は一夜を明かした。
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