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復讐、か…。
彼は見ていたのだろうか。
私が母親を殺すところを。
一応誰もいないのかは確認したし、カーテンも閉めていた。
…まさかベッドの下に?確かにそこはいるはずがないと思って確認はしていない。
彼の小ささならベッドの下に入れなくもない。
彼は見ていたのか。
私が母親を殺して部屋から出ていくところを。
…殺すか?
だめだ。母親は様態が急変したって事に出来たが、彼は健康体だ。母親が死んですぐ彼も死ぬのは母親の死も疑われかねない。
…私は何を恐れているのだろう。
そうだ、彼はまだ子供じゃないか。子供のことを誰が信じる?
何か見られていても様子を見ていたと言えばいい。
彼が私に復讐?それこそ子供の彼が何を出来るって言うんだ。
私は深呼吸をした。
人を初めて殺したから、さっきの馬鹿な同僚に感化されたから…。
私は少し動揺していたらしい。
落ち着け。もういいじゃないか。
そうだ、あんな過去のこと、全部、忘れてしまおう。
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