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あれから十数年経った。
私はあの事も忘れて普通に暮らしていた。
病院を何度か転々としたが、今は仕事も順調、恋人も出来て幸せな日々を過ごしていた。
でも最近おかしい。
仕事終わりに家に帰る途中誰かにつけられている気がした。
自意識過剰かなとも思ったけど、家に差出人不明の手紙が届くようになった。手紙には所狭しと愛してるの文字がたくさん並んでいた。
私は怖くなり恋人と近くの交番へストーカーの被害届を出しに行った。
「あなたのマンションや仕事場の巡回を多くしておきます。ちなみに犯人に心当たりはありますか?」
「…いえ、ないです」
「そうですか」
私はまだ彼のことを思い出してはいなかった。
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