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「はいお姉さん、これあげる!」
少年は私にシロツメクサの花冠を差し出した。
「わー、ありがとう」
私はしゃがみこんで花冠を頭に乗せてもらった。そして少年は私の耳元に口を近づけた。
「待っててね」
「ん?」
「勝手にどこかに行くなって言っただろ。そして看護師さんの仕事の邪魔をするんじゃない!」
少年の父親は大声で怒りながら近づいてきた。
「だって…」
「すみませんでした。あと、今までお世話になりました。先生にもよろしくお伝えください」
「…はい」
父親はお辞儀し少年の腕を掴んで去っていった。少年は振り返り私に手を振ってきたので私も振り返した。
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