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ママのせなかは、あったかくて、いいにおいがして、だいすき。
ゆらゆら、ねむたいな。
「……い、舞、ほら着いたわよ」
「うーん、ねむいよ、ママ」
「ほら、見てごらん、ピンクのじゅうたん」
「━━わぁっ!」
ママのせなかからみるせかいは、いつもまいがみてるよりも、ずっとずうっといろんなものがみえる。
「ピンクのおはな、いーっぱい!」
「舞、これはね、ヒメオドリコソウっていうのよ」
「…ひめどりこ?」
「ヒメオドリコソウ、よ」
「おひめさま!」
「ふふっ。そうね、お姫様のお花ね。」
そろそろおりてって、ママがわたしをせなかからおろす。
ママのせなか、とってもいいキブンだったのにな。
「このお花のね、このピンクのところ。これをね」
いっこおはなをつんで、ママがなにかしてる。
「あっ!ママおはなたべちゃった!」
「これはね、お花を食べてるんじゃなくて、蜜を吸ってるの」
「みつ?」
「そう。虫さんたちの食べる、蜜」
「えー!ママ、むしさんたちのごはんたべちゃった!」
「ちょっともらっちゃった」
「あ、ダメだよママ!いただきますしてないよ!」
ママったら、かってにたべちゃだめじゃない!
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