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お金がない、お金がない。本当にお金がない。頑張って生きてきたはずなのにどうしてこんなことになってしまったのかなと思うと哀しくなる。
わたし諸橋妙美の人生って何だろう。
預金通帳の残高を見ては溜め息、財布から小銭とたった一枚のお札千円札を机の上に並べてみては溜め息をつく。
長財布を逆さにして振ってみるけれど小銭さえ出てこない。
そうわたしは派遣切りにあってしまったのだ。悔しくて悔しくて涙が出そうになる。だって一日も休まないで一生懸命頑張ってきたのにこれなんだから。
何度眺めて見てもお金は増えない。五百円玉が二枚、百円玉が二枚、五十円玉が一枚、十円玉が五枚、一円玉が三枚、そして千円札が一枚あるのみなのだ。
「馬鹿みたい……。誰か助けて」
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