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「おいおい、そんな暗い雰囲気になるなよ。
葵の歓迎会を開く為に八木邸に呼んだんだからよ」
その雰囲気は芹沢の大声によって掻き消された。
「「えっ……歓迎会!?」」
葵と沖田が芹沢の突拍子の無い発言に目を丸くすると、芹沢は大きな口を開けて笑う。
「おうとも。 昨日前川邸がやけに騒がしかったからよ、今朝永倉に訳を聞いたのさ。
……ったく土方の野郎、俺達にも葵を紹介しろってんだ。沖田、土方は確か美女好きだったよな?
葵を独り占めする気かよ」
「い、いや、土方さんは確かに器量の良い女子は好きですけど、その様な事はしないかと……」
芹沢の勢いに押され、先程まで落ち込んでいた沖田も元の調子に戻りつつあった。
「フッ、土方の事だ、実際は葵を好いてるかもしんねぇぞ。……おいお前達、葵に自己紹介しろ」
「は、はい、芹沢先生ッ!」
芹沢が冗談交じりにそういうと、芹沢一派は葵の前に整列して名乗りを上げていく。
「新見錦だ。以後よろしく」
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「俺は平山五郎。よろしく」
そして全員が名乗り終えると、芹沢が大量の酒を部屋へと持ち込み、高らかに言う。
「既に知っているかもしれねぇが俺は芹沢鴨だ。
それじゃ、葵の壬生浪士組加入に──乾杯!」
「乾杯!」
それを合図に芹沢一派全員が酒を酌み交わし、あれよあれよという間に葵の歓迎会が始まった。
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芹沢一派の全員の名前を今知りたい方はp153-154の確認をお願いします🙇♂️
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