9. 芹沢一派

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「おいおい、そんな暗い雰囲気になるなよ。 葵の歓迎会を開く為に八木邸(こっち)に呼んだんだからよ」 その雰囲気は芹沢の大声によって掻き消された。 「「えっ……歓迎会!?」」 葵と沖田が芹沢の突拍子の無い発言に目を丸くすると、芹沢は大きな口を開けて笑う。 「おうとも。 昨日前川邸がやけに騒がしかったからよ、今朝永倉に訳を聞いたのさ。 ……ったく土方の野郎、俺達にも葵を紹介しろってんだ。沖田、土方は確か美女好きだったよな? 葵を独り占めする気かよ」 「い、いや、土方さんは確かに器量の良い女子(おなご)は好きですけど、その様な事はしないかと……」 芹沢の勢いに押され、先程まで落ち込んでいた沖田も元の調子に戻りつつあった。 「フッ、土方(アイツ)の事だ、実際は葵を好いてるかもしんねぇぞ。……おいお前達、葵に自己紹介しろ」 「は、はい、芹沢先生ッ!」 芹沢が冗談交じりにそういうと、芹沢一派は葵の前に整列して名乗りを上げていく。 「新見錦だ。以後よろしく」 : : 「俺は平山五郎。よろしく」 そして全員が名乗り終えると、芹沢が大量の酒を部屋へと持ち込み、高らかに言う。 「既に知っているかもしれねぇが俺は芹沢鴨だ。 それじゃ、葵の壬生浪士組加入に──乾杯!」 「乾杯!」 それを合図に芹沢一派全員が酒を酌み交わし、あれよあれよという間に葵の歓迎会が始まった。 ----- 芹沢一派の全員の名前を今知りたい方はp153-154の確認をお願いします🙇‍♂️
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