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「おうよ。
急いで作るよう言ったから、すぐに届くはずだ」
「へぇ〜っ、それは楽しみですね!」
葵が嬉しげに話す一方沖田は何故かあまり喜んでいないよう様で、
「金子……どうするつもりです?」
と言って俯いた。
「フン、金子が足らねぇ事なんぞ、問題の内に入らねぇだろうが。また平五に借りに行けば良い話だ」
そんな沖田に対し芹沢は一瞬目を丸くして驚く仕草を見せるも、酒を煽りながら豪快に笑う。
その刹那一瞬にして沖田の表情が曇り、沖田と芹沢の間にどことなく険悪な空気が流れ始めた。
「(何? 何が起きたの?)」
葵がその唯ならぬ空気にたじろいでいると、沖田は曇った表情のまま苦笑いした。
「それは無茶でしょう、芹沢さん。
先日俺たちは平五から100両も借りたのですよ」
「えっ……100両!?」
その莫大な金額に葵は思わず息を飲む。
「何故腰を低くする必要があるのだ、沖田。
俺達は町民の命を守ってやっているんだぞ。
平五も喜んで献金するだろうよ」
そんな中、新見が突如話に割り込んで来た。
葵は新見のその言葉から、芹沢一派の本性が垣間見えた気がしてならなかった。
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*平五……大阪の両替商、平野屋五兵衛の事。今橋一丁目に店を構えていた。
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