9. 芹沢一派

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葵は芹沢が再び酒を煽り出すのかと思ったが、彼の手が盃に伸びる事は無かった。 "歓迎会" という名の宴会もそろそろ終わりが近づいて来ているのだろう。 芹沢と新見はまだ酔い潰れていないが、その他の芹沢一派は泥酔状態に陥り部屋に寝転がっている。 そんな中葵は縁側に立ち、空を見上げた。 「(太陽が西に傾いている。 恐らくもう八ツ半(15時)になっているわ。 そろそろ八木邸(ここ)を出て刀を買いに行かないと)」 葵は己の目線を沖田へと向けた。 すると沖田はその目線の意図を察したのか、頷いてその場に立ち上がる。 「芹沢先生、葵さんだけでなく俺まで歓迎会に招いて下さりありがとうございました。 この後、葵さんの小刀を調達しに行かねばならないのでそろそろお暇します」 そして芹沢に会釈し、部屋を出ようとした。 「本日は私の為に歓迎会を開いて下さりありがとうございました。とても楽しい時を過ごさせていただきました」 葵も沖田に続いて八木邸を去ろうとして立ち上がった、その瞬間────。 「待てよ、葵」 突如芹沢が葵の腕を掴んだ。
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