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「前川邸に1度戻って小休憩をしてから刀を買いに行こう」
沖田は葵からパッと離れると、そう言って歩く速度を早め、葵より少し前を行く。
「……? そうね、それが良いわ」
葵はこれまで隣を歩いていた沖田が何故突然歩く速度を変えたのか理解できなかったが、一先ず沖田に聞こえる様にそう言った。
一方、葵の前を行く沖田はまたもや謎の体調不良に悩まされていた。
「(駄目だ、今朝から葵さんと会話をしていると、どうも胸が高まって落ち着かない。
一体どうしたのだろう。
睡眠が足りていないのか?)」
そして、ただひたすらに悶々とするのであった。
────顔と耳を、林檎の様に赤く染めながら。
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