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葵と沖田が藤堂と共に急いで前川邸へ戻ると普段八木邸に居る芹沢一派も集結しており、何か重大な知らせがある事は明らかであった。
「(何があったのだろう)」
葵は襖で仕切られた隣室──近藤・土方・芹沢が居ると思われる部屋の方角を凝視する。
「沖田君、この集まりの事何か知ってる?」
「いや、近藤先生からは何も……」
どうやらこの集いは臨時である様で、近藤の側近中の側近の沖田をもってしても何の情報も無い。
この部屋にいる他の隊士達も事情を聞かされておらず、感情が表に出やすい原田・藤堂は先程から落ち着かない様子であった。
「(沖田君に昨日の事を聞かれて、答えずに済んだのはありがたいけれど……。
何か悪い知らせでもあるのかしら)」
葵が表情を強ばらせたその時、目の前にある襖が開いて中から近藤・土方・芹沢が現れ、隊士がいる部屋へと移動する。
「お待たせ。
さあ、君達……こちらへ」
そして近藤が顔を後ろへ向けて自分達が居た部屋の方へ声を掛けると、3人の見知らぬ青年がこちらの部屋へと移動してきた。
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