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「(昨日顔を合わせてくれなかった理由を聞きそびれてしまったが……今こうして話ができているから、気にしなくて良いか。
それよりも、この後の予定だ)
この後はまた壬生寺で素振りを?」
沖田はそんな葵に近寄り問うた。
「素振りでも構わないけれど、京に来てからまだ1度も沖田君と剣を交えていないわ。
できれば手合わせがした……」
葵が上がっていた口角を元に戻し、沖田に久しぶりの手合わせを申し込もうとしたその瞬間──。
「 き、貴殿が沖田総司殿ですかッ!?」
葵の言葉を遮り、沖田の元に駆け寄る者が居た。
「突然話に割り込んでしまい申し訳ございません。
先程名乗ったばかりですが、改めまして佐々木愛次郎と申します。
近藤先生から貴殿の話は聞いておりまして……何でも、試衛館随一の剣客だとか!
是非とも私に剣術を指南をお願いします」
そう言って目を輝かせたのは、愛次郎であった。
どうやらつい先程、三馬鹿から解放されたらしく葵と沖田の会話を聞いていた様だ。
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*新たな隊士・蔵之助及び愛次郎は苗字が同じの為、区別しやすい様に今後は地の文においては名前を使用します。
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