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数日後────。
「おい、お前達!」
昼過ぎ、試衛館一派が食後の満腹感に浸っていた頃、芹沢の大声が前川邸に木霊した。
その声に顔を歪め、いかにも不機嫌さを醸し出す土方だが、徐に立ち上がり芹沢の居る方へ赴く。
「如何した、芹沢先生────ッ!」
芹沢の元へと辿り着いた土方は唖然とした。
何故ならば芹沢は新見達──己の派閥の隊士の他、大きな風呂敷を持った商人を連れていたからだ。
そんな土方を見て芹沢はニヤリと笑う。
「お待ちかねの隊服だ」
「もう仕上がったのか!」
壬生浪士組が大文字屋に隊服を発注したのは約1週間半前である。
あまりの完成の早さに土方は脱帽した。
「へえ、追加注文の分も仕上がってます。
是非見とぉくれやす」
大文字屋の商人のその言葉に土方は踵を返し──。
「全員、直ちに集合!」
大声で自室に居る隊士達を呼んだ。
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