第4話

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 マンションに帰宅し、リビングに入る。ソファーの上で健人が寝ていた。丁度その横のサイドテーブルにポトス。健人は私の気配に気づいて、少しだけ目を開けて面倒くさそうに、「おかえり」と言ってまた目を閉じた。  急に頭に映像がよぎった。 「私が何も言わないからって、傷ついてないとでも思った? 寂しくないとでも思った? 馬鹿にしないでよっ! 調子に乗らないでよっ!」  大声で叫んで健人の頭をポトスの鉢で殴っている自分。映像ーー想像の中の怒っている自分は頼もしかった。少し笑った。私らしくない想像だけど。そうだ。怒りにも蓋をしないで進むんだ。  きっと、進める。  私は、強い。  「健人……。君は彼氏としては最高だった。でも結婚相手としてはね……」  静かな部屋に、私の声が凛と響いた。  了
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