〔Marriage and divorce are hobbies〕

1/1
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ

〔Marriage and divorce are hobbies〕

 馬鹿なものは独身の間は結婚した時のよろこびを空想し、結婚すると独身の時のよろこびを空想する(by日本の小説家・詩人・政治活動家:武者小路実篤)        *                   *  サンプルは二十代の若夫婦である花子と太郎の離婚のケース。  離婚の大まかな流れはこうだ。  離婚を決意する→離婚を相手に切り出す→親権・財産分与・慰謝料・養育費について話しあう(協議離婚)→当事者間で話がまとまらない場合は弁護士・調停離婚・裁判で決める→新生活の準備をする→離婚届を用意して役所に提出する……という順序。 花子「じゃあ、ピースフルな離婚をしようね!」 太郎「そうだね~!」  離婚の手続きが終わるまでは早くても1~3ヶ月はかかり、子供がいて親権や養育費を決めるすると、半年以上協議する事も少なくはない。だが、花子と太郎の間には子供がいないので、夫婦当事者間の問題が重きになり、子供がいる状況よりもスムーズに進展するケースが多い。  まずは離婚届けの必要事項の記入。離婚届の書類は各市区町村役所の窓口から無料で手に入れられる。記入欄は〈氏名〉〈住所〉〈本籍〉〈父母の氏名〉〈離婚の種類〉〈離婚前の氏にもどる者の本籍〉〈未成年の子の氏名〉〈同居の期間〉〈別居する前の住所〉〈別居する前の世帯の主な仕事と夫婦の職業〉〈その他〉〈届出人の署名と押印〉〈証人の署名捺と押印〉となっている。 花子「私たちは本籍地以外に住んでいないから戸籍謄本を準備する必要ないわね、キャハっ!」 太郎「そうだね。それじゃ僕らの場合は後の条件は、仲良しこよしのラブラブ協議離婚だから、20歳以上の証人2人に記入及び捺印をもらうだけだね、テヘっ!」 花子「キャハっ! そんな恥ずかしい、ラブラブなんて」 太郎「だってホントの事じゃないか。僕チンたちは新婚ホヤホヤのままのスウィートな時期に協議離婚するんだから、スタイリッシュで愛に満ち溢れてるさ」  『協議離婚』とは、夫婦で離婚の話し合いを行い両者が同意した上で離婚届を提出し離婚が成立する離婚方法。時間や費用の節約ができる最も簡単な離婚方法でもある。だが、協議離婚は簡略式であるため、財産分与や子供はいた場合に養育費など、離婚前に決めておいたほうがいい事を決めずに離婚してしまい、後々トラブルを引き起こす事もしばしば。離婚に向けた話し合いの段階で様々な問題を解決していった方が後々トラブルがないので、離婚届の提出はあまり早急にせず、重々と話し合いをするのが賢明である。  また、離婚では協議離婚では問題が収まらない場合に、『調停離婚』と『裁判離婚』がある。  調停離婚とは、協議離婚で一方が離婚に同意しなかった場合に用いられる方法。夫婦2人での話し合いでは埒が明かない場合に、調停委員が仲介役として両者の話し合いを調整する。中立な立場である調停委員が夫婦と共に慰謝料や親権などについて話し合いを進めることで、スムーズに夫婦お互いの合意が取れる潤滑油の役になる。また、離婚調停の期間はだいたい半年ほどで、長いもので1年以上になり、 離婚調停は長丁場になるため、協議離婚と比べるとスムーズな離婚の手順とは言い難い部分があるが、弁護士が介入することで有利に進むだけでなく、うまくいけば最短1ヶ月で解決する場合もある。  裁判離婚は、離婚調停でも話し合いが上手くまとまらなかった場合の離婚手段であるが、離婚件数全体の約1%しか占めない離婚方法。ちなみに調停離婚でも離婚件数全体の約9%の離婚方法で、実際の離婚件数の約9割は協議離婚でおさまっている。裁判離婚ではそれまでの経緯や客観的な証拠により離婚の条件が決められ、この裁判では家庭裁判所が夫婦に判決を言い渡すため、夫婦はその結果を待つしかない。また、調停を経ずに裁判になる事はない。そして、裁判離婚では弁護士に対する報酬など費用がかかることが一般的である。 花子「私たちは不倫とか浮気とか、それにモラハラやDVなんかもっての外だもんね。そんなのが離婚のインセンティブになるなんて、オシャレじゃないよね」 太郎「そうそう。そんなのカジュアルじゃない。僕らはラブラブ故にホッカホッカの間に離婚するんだ。コレって超最先端のファッションでありモードだよね」 花子「私たちって時代に敏感過ぎるのよ、きっと。男女、カップル、夫婦とか全部含めて異性平等のメンタリティの持ち主だもん」 太郎「僕チンだってフェミニンだし」 花子「そうよね。昔の離婚なんて、時代や場所や宗教とかにもよるけど、女性からすれば、酷い仕打ちばかり。共同体からは疎外され、剃髪も強要されたり、それこそお嫁さんが姦通したら死刑なんてのもアリアリ。男女の待遇格差が大きな国とかは、まだまだ女の人が虐げられてる。そうよ。文明とか民度が低い国ほど離婚が困難。今のジャパンはそんなのないもんねえ。サイコーにポップな離婚に満ち溢れているハッピーな国。この国に生まれて良かった~」 太郎「うん、うん。なんて幸せな環境なんだろうね。日本はキャッチーでコンビニ感覚で離婚できるネイション・ステイトの最高峰だよ」 花子「じゃあ、早速、離婚届を市役所に取りに行きましょ。ポンポンポーンとハンコを押して即提出のスタンバイよね」 太郎「イエス! 僕チンチンたちはノープロブレムだからスピーディかつエンジョイして、離婚アミューズメント出来るから」 花子「だよね~私も今の時点で胸がドキドキして、エキサイティングにテンションがアゲアゲ。ハートがホットなうちにレッツ・ゴーしましょ、ダーリン!」 太郎「そうだね、ハニー!」  世界の現在の主な先進国の離婚率。  アメリカの離婚率は、1000人あたり2.5組。イギリスの離婚率は、1000人あたり1.9組。フランスの離婚率は1000人あたり1.9組。ロシアの離婚率は1000人あたり4.7組。中国の離婚率は1000人あたり1.8組。  そして、日本の離婚率は、1000人あたり1.7組となっている。数値的に見れば約3組に1組が離婚している割合になる。  【離婚】とは、婚姻関係にある生存中の当事者同士が、有効に成立した婚姻を婚姻後に生じた事情を理由として、将来に向かって解消することをいう……らしい。         *                *  人間は判断力の欠如によって結婚し、忍耐力の欠如によって離婚し、記憶力の欠如によって再婚する(byフランスの劇作家:アルマン・サラクルー )                          了
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!