鳥籠 -2-

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「ああ、あいつ。で、何?」 「その人に会ったの」  その人は思い出したけど、柚莉と同じように名前は思い出せない。  柚莉もかまっていないようだけど。 「朱をどこどこで見たけど、一緒にいたの誰だか知ってる? って言ってたんだよぉ」 「えー?」 「あたしだって、そんなこと知らないじゃん? 知らないって言っといたけど」 「あたしだってわかんないよ。今日2、3人は会ったもん、オトコ」 「だと思った」  柚莉だって驚かない。  いつものことだから。  柚莉は親友みたいなもの。  昔から、たいていのことは柚莉にしゃべっているし、柚莉からも聞いてる。 「そういえば、おねえ、今誰と付き合ってるの?」 「ええ?」  柚莉は空になった袋をゴミ箱に押し込み、持ってきたらしいコンビニ袋からタバコを取り出した。 「わかんないや…そういえば」
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