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「ああ、あいつ。で、何?」
「その人に会ったの」
その人は思い出したけど、柚莉と同じように名前は思い出せない。
柚莉もかまっていないようだけど。
「朱をどこどこで見たけど、一緒にいたの誰だか知ってる? って言ってたんだよぉ」
「えー?」
「あたしだって、そんなこと知らないじゃん? 知らないって言っといたけど」
「あたしだってわかんないよ。今日2、3人は会ったもん、オトコ」
「だと思った」
柚莉だって驚かない。
いつものことだから。
柚莉は親友みたいなもの。
昔から、たいていのことは柚莉にしゃべっているし、柚莉からも聞いてる。
「そういえば、おねえ、今誰と付き合ってるの?」
「ええ?」
柚莉は空になった袋をゴミ箱に押し込み、持ってきたらしいコンビニ袋からタバコを取り出した。
「わかんないや…そういえば」
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