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それを、新しいメンバーとやらなきゃならない。
そもそも、そんなすぐに見つかるもんじゃない。
そこへハルカが持ってきた話が、これだ。
陸とカラオケに行った時に、一緒に行った陸の友達が上手かったんだよね!
で、それ思い出したから、陸にメールしてもらっといたから!
陸というのは、ハルカの彼氏だ。
カラオケって…、とあたしも含め3人は頭を抱えたのだが、背に腹は変えられないし、
何曲か覚えて来てくれるというのだから、来てもらうしかない。
しかし、約束の時間をもう30分も過ぎている。
「ねぇ、迷ってない? 陸にメール、もう一回してよ」
ハルカに言ってみると、携帯を覗き込みながら、首をかしげる。
「さっきもメールしたんだけどさ。返事ないんだよね」
「陸が連れて来てくれるんでしょ?」
「俺、見てこようか?」
「つかぁ、電話しなよ、電話」
みんなで口々にハルカに電話をと言うと、ハルカがスティックを回しながら、全員を制する。
「まあ、もうちょい待ってって! 来るから!」
全員が、その根拠もなく自信満々なハルカに押されて口ごもる。
その時、キイ、と音を立てて、リハーサル室の重い扉が開いた。
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