鳥籠 -1-

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 みんな一斉にそちらを振り向く。 「ま、入ってよ! はいみんな、お待たせっ」  調子のいい陸に続いて入って来たのは、前髪を長く伸ばした、栗色の髪の、猫背のオトコ。  ストールを巻いて、ジレをコーディネートして来る辺りは、美容師の陸の友達らしくオシャレ好きなのかという感じはする。  が、それだけだ。  前髪に隠されて、ちらりとしか見えない目は何の印象も与えないし、猫背のせいで、せっかくの長身も生かせていない。  要は、普通。 「じゃね、うちのメンバー紹介するね。端っこから朱、柚莉、シュン」  彼は軽く一人一人に会釈をする。 「アキヒロ、です」  彼はそれだけ言うと軽くもう一度頭を下げた。 「とりあえず、今日はよろしく。早速合わせてみていいかな?」  シュンがそう言いながら差し出した右手を握り返しながら、アキヒロはうなずく。  そんな、素人のアキヒロがBurmeseに加入することになるのは、そのほんの数時間後のことだった。
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