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「棺の中のオフィーリア」
私はなぜ、この暗く狭い箱の中にいるのか。
そうだわ、小川のほとりに咲いていたすみれの花を摘もうとして……。
神に背いた私を、このような場所へと葬って下さることに感謝します。これでずっとずっと、骨となっても、ハムレットさまと、そして大切なお兄さまと、一緒にいられる。
墓堀人夫に頭蓋をこづかれるのが何でしょう。どうせ天に召されることがないのなら、ここでお二人と永遠を過ごすことができるほうがずっと幸せ。
ああ、何ということでしょう。ずっと、お父さまにもお兄さまにも、そして神にも背くことなく忠義に生きてきた私なのに、この生命をうしなった途端、天よりも愛する方々のことしか考えていないのですから。
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