~一章:廻り始めた運命~

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それからというもの、そんな私を毎日嘲笑い、酷い言葉を投げかけてくるのが、義理の姉達だ。 本当に神経を疑う。私からすれば今の家族はただのまがい物なのだ。 本当の家族はもうこの世におらず、ここは引き取られる前は祖母と2人暮らしだった。 母親と父親は私が赤子の時に亡くなったらしく、それからは祖母が面倒を看てくれていた。 決して裕福とは言えない暮らしだったが、私にとってあれ以上にかけがえのない時間を過ごすことは、今後ないだろう。楽なことだけではなかったが、祖母と二人で暮らした日々は私の中での唯一無二の思い出だ。それは今でも断言できる。 もう顔も覚えていない両親が亡くなってから祖母は私を引き取ってたくさんの愛を注いでくれた。 そんな大好きな祖母には毎日の日課があり、それは毎日大きな全身鏡を欠かさず綺麗に磨くこと。 祖母がそれを幸せそうに磨いているのが不思議で、ある時尋ねてみたことがある。 「おばあちゃん!またそれ磨いてるの?それなぁ〜に?どうして毎日磨いてるの?」
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