~一章:廻り始めた運命~

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「ん〜?これはねぇ『 魔法の鏡』って言ってね、うちで昔から大切にされてきた物なんだよ。いつ魔法使いさんが来てくれても、お出迎えができるように毎日こうして磨いてるの。きっと魔法使いさんも喜ぶだろうし、何より汚れたままだと顔がはっきり見えないだろう?」 「へぇ〜、凄いね〜!」 「リンも魔法使いさんに会いたいかい?」 「うん!リンも会いたい!一緒にお店屋さんごっこしてもらうの!」 「そうかい、いつか会えるといいねぇ」 祖母はそんな会話をしている最中も手を休めることなく磨き続けていた。 祖母が他界してから遠い知り合いだという、今の家族の元へ引き取られた。 そして私はこの館に移る際に魔法の鏡だけを持ってきたのだ。 引き取られてすぐは皆優しくて何不自由ない暮らしをしていたのだが、私が障害者になった途端み皆私を煩わしく思うような言動を向け始めたのだ。 この館の主人は気のいい人で、私も彼が大好きだったのに、私が6歳の時戦死してしまった。 その戦争は未だに続いている。
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