一章 降って湧いた災難

1/1
505人が本棚に入れています
本棚に追加
/180ページ

一章 降って湧いた災難

◆◆◆ 美しい金と銀の色違いの瞳からぼろぼろ涙が溢れている。 僕を抱きしめ慟哭するお前。 その美しい、僕の大好きな顔に…お前の頬に手をやり呟く。 『泣かないで、僕の(あか)い鬼。お前の昏い顔も、哀しい、苦しい顔もそんなの見たくない。 ずっと、お前に与えた【(てん)】の色のように、にこにこ笑っていなきゃ僕は嫌だ………』 最後に見る空の下、僕の最愛は最後まで笑うことはなかった─── ◆◆◆
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!