100 : 此処より永久に

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目指す町までは、小さな町を二つ程通り過ぎ、三日後に着いた。 「やっと着きましたね!」 「先生、こんなに歩いて旅したのは初めてだろ? 疲れたんじゃないか? 俺達の旅はいつもこんな調子だが、ついて来られるか?」 「このくらい、なんてことありませんよ。 僕はまだ若いんですからね。」 「へぇ~、言ってくれるじゃないか。 クロワさん、先生は相当本気みたいだぜ!」 クロワはリュックのそんな言葉を聞こえないふりをして、町の中を眺めていた。 「じゃあ、まずは宿屋を探そうか…」 「その前に病院を探さなくては…!」 町の中に入ってすぐに病院がみつかり、私は早速、クロードのつきそいの元、診察に連れて行かれてしまった。 クロードが医師に対し様々な質問を投げかけ、多種に渡る検査を要求したためにけっこうな時間はかかってしまったが、結果はやはり思った通り異常はないとのことだった。 医師がいうには、目の色が変わったのは事故の時になんらかの損傷を受けたのが原因だろうということだった。 しかし、それが完全に…しかも、徐々にではなく突然にもとに戻ったことに対しクロードは納得がいかない様子だったが、医師もその原因はわからないというだけだった。 「とにかく、良かったじゃないか! なんともなかったんだから…」 「しかし、僕は納得がいきません。 なぜ、突然、元の色に戻ったのか… 色が変わっていたのは事故で損傷を受けたからだということでしたが、マルタンさんは目の痛みを感じたこともなければ視力が落ちたということもない… おかしいではありませんか。」 「そう言われましても…」 「そうだよな。マルタンだってそんなこと言われても困るよな。 先生、医学とか科学とかいうもんは、今わかってることがすべてじゃないだろ? 何十年、何百年経ってからわかることだってあるじゃないか。 マルタンの目のことも、そういうもんなんじゃないのか?」 「それはそうかもしれませんが…しかし…」 「さ、早く宿に行こうぜ! 俺、腹ぺこなんだ。 皆もそうだろ? 診察にこんなに時間がかかるとは思ってなかったからな。」 町には三軒の宿があったが、私達は一番静かであろうと思われる町外れの宿を選んだ。
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